禁煙か分煙か?決断が迫られる飲食店の「喫煙」に関する対応方法

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飲食店において、全面禁煙もしくは分煙といった対応が求められてきています。受動喫煙問題によって、タバコを吸うことができる場所の規制は厳しくなり、路上に続いて屋内の原則禁煙についても議論されています。とはいえ、まだまだ対応を見送っている店舗も多く、法改正の行方が気になるところです。今後どういった方法を取るべきかを紹介していきます。

飲食店において、全面禁煙もしくは分煙といった対応が求められてきています。受動喫煙問題によって、タバコを吸うことができる場所の規制は厳しくなり、路上に続いて屋内の原則禁煙についても議論されています。とはいえ、まだまだ対応を見送っている店舗も多く、法改正の行方が気になるところです。飲食店は完全禁煙を目指すべきなのか、分煙あるいは全席喫煙可の場合で良いのでしょうか?飲食店が今後どういった方法を取るべきかを紹介していきましょう。

もう無視できない?喫煙に対する世界や日本の動き

null 飲食店に禁煙席などがなかった時代に比べて、喫煙に対する風潮は大きく変わりました。年々、タバコを吸わない人・煙を嫌がる人は増えている傾向があります。

タバコの煙には、ニコチンだけでなく多くの発がん性物質が含まれており、健康への様々なリスクが科学的に証明されています。普段タバコを吸わない人は煙に対する感受性が高く、受動喫煙によっての健康への影響が問題視されました。

また、タバコのポイ捨てといった環境美化などの側面も、タバコを規制する追い風になっています。

世界の流れは屋内全面禁煙化

世界保健機関(WHO)は、「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」のもと、受動喫煙は人体の健康悪化の影響をもたらすとして、分煙ではなく、全面禁煙化を進めています。

すでにイギリス、ロシア、スペイン、オーストラリア、アメリカの半数を超える州などでは既にレストランやバーを含む屋内施設は全面禁煙となっております。

世界に比べ遅れをとる日本の喫煙に対する考え方

WHOによって受動喫煙の対策について、日本はG7諸国内最低レベルと指摘されています。

確かに居酒屋などでは海外に比べて格段に喫煙可能の店が多いですし、カフェやレストランでも、全面禁煙ではなく喫煙室や喫煙スペースを設ける分煙という措置まででとどめられています。

しかし、世界中からの観光客訪日が予想される2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、厚生労働省は屋内での喫煙を全面禁止とする方針を打ち出しました

世界的な視点からも今後、喫煙に関する規定はさらに厳しくなっていく可能性があると言えるでしょう。

喫煙客を大切にしたい!「分煙」という選択

屋内全面禁煙に向けての動きは大きくなりつつありますが、飲食店では依然として反対意見も多いのが現状です。喫煙客が離れることで売り上げに大きな打撃を受けるのではないかと懸念の声が上がっています。ビジネスパーソンや喫煙者が多い世代をメインの客層としている飲食店の業態は、全面禁煙となった場合に影響が出るのは避けられないでしょう。

そのような飲食店の懸念を払拭するために、東京都は屋内でも完全な分煙ができる喫煙ブースの設置は認める方向で検討しています。 受け入れ先が徐々に少なくなっている喫煙者を、客として取りこんで店の利用を続けてもらうために、スペースの確保や費用面で可能な場合は分煙に向けて検討しましょう。

分煙対策に対する助成制度

設備や備品の購入を進める前に、助成金が受けられるかどうかについても調べることをおすすめします。東京都内で飲食店を営んでいる中小企業者は、喫煙室の設置やエリア・フロア分煙に必要な設備・備品購入費、改修整備費などを300万円を限度として補助金を受け取ることができます

このような助成金制度は、厚生労働省の指導のもと、他の都道府県にもありますので、確認してみてください。ただし、助成金予算には限りがあるので早めに申請しましょう。

分煙のために飲食店が注意すべきこと

店舗の内外に喫煙ブースを設けて、タバコを吸う時はそちらに行ってもらうといった形式を取る店もあります。分煙は喫煙ブース以外にも、フロアやエリアで分けたり時間帯によって分けるなど、店の状況によって取り組み形態は様々ですが、煙の流れには充分に気を付ける必要があります。

タバコの煙に敏感な人は、わずかな煙でも気分を害してしまいます。せっかく受動喫煙防止の対策を行っても、漏れた煙でクレームを受けては意味がありません。高い遮断性能・消臭効果からエアカーテンなどを導入している店舗もありますが、店の規模によって機器や設備を慎重に選び、分煙環境をしっかり整えて、タバコを吸わない人に煙を感じさせないことが大切です。

分煙には大きなコストがかかりますが、助成金もうまく活用しながら、喫煙者・非喫煙者、両方のお客様に受動喫煙に対する取り組みをアピールすることによって、競合店との差別化を図ることができます。

「全面禁煙」という選択!新規客を獲得するチャンスも?

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ここまでは分煙という措置を説明いたいましたが、世界の流れから見て取れるように、「全面禁煙」は遠くない未来飲食店は義務付けられることでしょう。そのため、早く全面禁煙に向けて舵を切ることも一つの選択肢です。全面禁煙のメリットと実現に向けた対応策を説明させていただきます。

「全面禁煙」実現のメリット 新しいお客様の流入が起こる

常連客や客層に喫煙者が多い店にとっては、全面禁煙にすると客が離れてしまうのではないかという心配があります。しかし、考え方を変えれば、タバコの煙が多い店には、店の商品やサービスに興味を持っていても受動喫煙を恐れて店を利用しない見込み客が多く存在している可能性があります。

タバコの煙を気にする人は、喫煙に取り決めのない店に入るのをためらう人も多いです。そのような見込み客へ、思い切ってターゲットをシフトするという戦略が全面禁煙なのです。

また、禁煙にして一時は客が減ったとしても、味やサービスに自信があれば客は戻ってくるでしょう。喫煙場所以外にも、タバコの増税による家計の悩みも含めて、年々、喫煙者は減少傾向にあります。タバコの煙を気にする人が年々増えており、全面禁煙を歓迎して、お店に訪れてくれるお客様が増えていくでしょう。

「全面禁煙」に向けて内装をリニューアルしましょう

タバコを吸わない人は、タバコの煙のニオイに敏感な人も多く、仮に全面禁煙を実現させたとしても店に残ったニオイと壁にこびりついたタバコの煙の色を感じ取ってしまうこともあります。食事を楽しむ時は、視覚や味覚だけでなく嗅覚も重要な役割を果たしているため、ニオイを気にする人にとってはタバコの残り香は大きなマイナス点です。

条例が施行されて、あわてて店内を禁煙したとしても、壁や天井などに染みついたタバコのニオイは簡単に消えるものではありません。 程度にもよりますが、全面禁煙にしてタバコを吸わない健康志向の人たちを多く取り込みたい場合、内装をリニューアルすることも視野に入れた方がいいでしょう

全面禁煙であるという店の意思を提示しましょう

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いくら全面禁煙が実現したとしても、店の方針が分かりづらければ、新規のお客様を得られる機会を失ってしまうかもしれません。 東京都福祉保健局では、受動喫煙防止の取り組みの一環として、店頭表示用のステッカーを無料で配布しています。また、店舗独自でオリジナルのステッカーを作成し、お客様にわかりやすく提示することで自店舗を選んでもらおうといった方法を取り入れている店もあります。

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出典:東京都福祉保健局ホームページ

東京都福祉保健局ホームページでステッカーを注文する

タバコ好きなお客様が、お店に入ってから喫煙席がないといったことがわかり、何も注文せずに店を出るといったケースを、あらかじめ店の意思を提示することで防ぐことができます。また逆に、タバコ嫌いのお客様が安心して来店するきっかけにもなるでしょう。

受動喫煙に対する意識が高まっている中で、禁煙・喫煙は客が店を選ぶ要因の一つとして無視できないものです。実店舗の表示だけでなくホームページなどでも、目に留まりやすいところでアピールする必要があるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。完全禁煙化を行うことで、煙草を嗜む方の足が遠のいてしまうというのは事実ではあるものの、嫌煙は社会の流れですし、多くのお客様が分煙を求めていますので、勇気を持って禁煙に踏み出すことをお勧めします。全く煙たくない店内作りを形成し、売上を順調に伸ばしていき他の店舗も開店させられる余裕が出てきた際には、真逆の煙草を自由に吸えるお店にすると物理的に減少している事も相まって一気に客層を取り込む事もできるかもしれません。今回の記事を参考に、ぜひ禁煙に向けた対策を考えてみてください。