集客のポイントは情報発信ではなく「お客様との情報共有」

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「集客」を考える時、お店の情報(住所や営業時間の他、コンセプトやメニュー内容など)をお客様に伝える…という事は、改めて言うまでもありません。この「お店が発信する情報」と「お客様のニーズ」に食い違いがあると、十分な集客効果が得られず、逆効果になる事も…。本当にお客様が求めている情報は何なのでしょうか?

「集客」を考える時、お店の情報(住所や営業時間の他、コンセプトやメニュー内容など)をお客様に伝える…という事は、改めて言うまでもありません。一般的な情報発信の方法は定期的なチラシの制作やホームページの活用が挙げられますが、本当にそれだけで十分だと言えるでしょうか?この「お店が発信する情報」と「お客様のニーズ」に食い違いがあると、十分な集客効果が得られず、逆効果になる事も…。その先にあるものをイメージできていないと、お店側の独りよがりな情報発信で終わってしまいます。

集客に悩むお店に当てはまる2つの特徴

お店の売りが安さ

新規開業時や売り上げアップを狙う時「値下げ/キャンペーン価格の設定」を思いつく人が大半だと思います。 お得感があり人目をひく事はできますが、長い目で見ると得策ではありません。 確かに「足を運んで貰わないと何も伝わらない」と言えばその通りですが、実はここに大きな問題があります。

初回の来店動機が「キャンペーン中でお得」だった場合、そのお客様はあなたのお店そのものに興味があるわけではなく、安いから来店をしているだけです。 別の飲食店で似たようなキャンペーンがあれば、あなたのお店を利用する動機は無くなるでしょう。 このタイプの客層が悪い…とは言いませんが、コアになる客層として考えるのは非常に危険であり、効率的な集客とは言えません。

また「お得感」は非常に中毒性が高く、前回の来店に比べて少しでも劣る点があればすぐに不満に繋がります。 「安いけど味や量がいまいちパッとしなくてさ〜…」と言われてしまっては、どんなに安くてお得なメニューを提供していたとしても、来店動機や口コミの発生に繋がりません。

セールスポイントが曖昧

メニューが豊富過ぎたり、詳細な情報が得られないとお客様は何を注文して良いかわからなくなります。さらに「うちは全部オススメだよ!」と笑顔で言われてしまうと、それ以上会話ができず「不親切な店」と感じてしまう人もいます。

初回や見込みのお客様に自分の店を紹介する場合、セールスポイントをはっきりさせる事はとても重要なポイント。万人受けを狙って一方的に多くの情報発信をしていてはお客様も整理しきれず、そのままゴミ箱へ捨てられてしまうでしょう。

セールスポイントが曖昧だと認知度が上がらず、集客に繋がらないのは当然です。 店名を聞いた人だけで「○○が美味しいあのお店ね!」と自然に出てこなければ、認知度は低いと思った方が良いです。それは味や量、特化した専門的な料理など様々。「肉料理専門!」や「激盛り自慢!」でも何でも構いません。お店の「売り」を明確に1つに絞る事も大事です。

集客に使えるツール

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折込チラシ、店頭看板

お店のセールスポイントを伝える手段として定番の「折込チラシ」 インターネットが盛んになってきたとは言え、アナログな手法の効果もまだまだ健在です。 認知度の低い新規開業時には積極的に活用したい集客ツールのひとつ。 特に新規開店をした場合、お客様はあなたのお店を探す検索ワードすら知りません。

費用対効果的に効率が良くない…と言われがちな折込チラシですが、最近ではパソコンを使って自分でチラシをデザインし、ネット入稿をして印刷手配をする事も可能。 工夫次第で従来より安く仕上げることも可能です。

また、見やすい場所に看板を置くことで、繰り返し店の名前を見て覚えてもらう事も地味な活動ながら大事な集客方法。 人は1回名前を見たぐらいではすぐに忘れてしまいますが、繰り返し同じ名前を見る事で認知度が上がり、ふとした時に来店動機に繋がります。

独自のホームページ、SNS

印刷物だけでなく、WEBの活用も現代の飲食店経営では重要なポイントです。 スマホの普及率が上がり、今はお客様側からも積極的に飲食店情報を集めに来る時代。 「ホームページで営業時間が確認できないから行くのヤメた。」なんて話も日常的に耳にします。

若い人向けの店や観光客をターゲットにした飲食店の場合、ホームページが無いだけで他の店舗と大きく差が開くでしょう。

独自のホームページやSNSを導入するメリットは「本人が情報発信出来る」「他に比べて安価」の2点。 中には「うちはぐるなびで十分!自社ページまで手が回らない!」という店主の声も聞きますが、はっきり言ってそれは認識が甘いです。 膨大な情報量の中、あなたのお店を見つけて貰う努力もせずにネットだけで集客ができたら誰も苦労しません。

グルメサイトやまとめサイトだけではフォーマットが固定されてしまい、他店舗との差別化が非常に難しいです。 ホットペッパーのような有料サービスを使えば集客に効果が見込めますが、月々に多額の広告費が必要になります。中には逆ザヤになってしまった例もあり、費用対効果を考えると必ずしも得策とは言えません。

独自のホームページの場合、認知に時間がかかるデメリットはありますが、独自の情報をリアルタイムで発信できる強みは非常に大きいです。 加えて、アクセス解析を使えば、どのようなお客様が興味を持ってくれているか調べる事も可能。 これが蓄積されればビッグデータとなり、後のプロモーション活動の基盤にもなります。

独自のビッグデータがあれば効率的な広告戦略を立てることも可能。 他店舗には無い強力な武器になります。

集客につなげるためのツール活用方法

SNSのコメントを活用(Facebookの事例)

初期投資もかからず、ちょっとしたコツを掴んでしまえばとても便利で有効的なツールです。 広告費を半減させながらも集客に成功している事例もあるほど。もはや必須の営業ツールだと言えます。

様々な機能がある中で、特に注目したい点が「コメント機能」の活用。 お店側が投稿した内容にコメントが付くと、それはリアルな意見として多くの人に見て貰うことができます。 さらに投稿してくれたお客様の友人が見ていれば「○○が美味しいって言っていたあの店ね!」と自然な形で口コミの発生源になり、お店に興味をもって頂くきっかけにも。 闇雲に営業案内やメニュー写真を投稿するだけでなく「お客様がついコメントをしてしまう内容」を心がけて投稿内容を吟味すると効果的です。

とは言え「ついコメントをしてしまう内容」がわからない方も多いと思います。 そこでヒントを見つけるテクニックを紹介します。

  1. 常連客のタイムラインを見て、その人が喜びそうな話題をリサーチする。
  2. 目を引く写真を用意する(料理だけでなく、イベント写真等)
  3. コメント特典をつける。

SNSの良いところは、手軽にお互いの情報を交換できる点。 「情報発信」を意識する前に、お客様とのコミュニケーションを楽しみ、相手を理解する姿勢が基本になります。 お客様側も「お店が自分を気にかけてくれている」と思えば嬉しいですし、距離感が縮まれば来店動機に繋がるだけでなく、気が付かなかった「本音」を聞き出す事もできます。

###レスポンシブ型のチラシ製作 一般的に「レスポンシブ」は、パソコン、スマホ、タブレットなどの異なる画面サイズの端末でもデザインが最適に表示される仕組みを指します。 この考え方はアナログな折込チラシにも有効で、配布する時期や場所、客層に応じたデザインを使い分けて活用します。

例を挙げると ・ 新聞折込チラシ(通常):A4サイズ(高級紙) ・ 新聞折込チラシ(キャンペーン):A4サイズ(普通紙) ・ ポスティングチラシ:A4サイズ(高級紙/三つ折り) ・ 知り合いの店等に置いてもらうショップカード:名刺サイズ

コスト面を考慮すると、折込チラシに高級紙を使うことは費用対効果でデメリットがあるように思えますが、実は紙質が良くなると読まずに捨てられる数が減る傾向があります。 投函後、1年以上経っているのに保管されていた…という例もあり、メニュー表を併記するなどした場合、即日来店に繋がらなくてもお店をアピールするきっかけとしては十分な効果が期待できます。

安価な紙質だとすぐに捨てられてしまう傾向がありますが、キャンペーンなどの一時的な情報をいつまでも残しておきたくない時には逆に安価な紙を使うなどして使い分けをします。

受け取る側のストレスを減らし廃棄率を下げるために、三つ折り形式やカード形式にするのもテクニックの一つ。 さらに、作成する広告別に異なる特典サービスを併記して、各広告の反応率を計測する手法も有効的です。 大量に配る折込チラシは100円引き、ポスティングは団体割引、ショップカード持参は1品サービス…などいろいろ工夫ができます。

元来「レスポンシブ」は「反応が良い」という意味。 そしてお客様からの反応は、お店が発信した情報がちゃんと届いている証拠です。 それぞれの反応を検証し最も適したチラシを採用していけば、例え初期投資はかかったとしても長い目で見れば無駄撃ちが減るのでコスト削減に繋がります。

###店内アンケートも立派な情報共有ツール 軽く見られがちな店内アンケートですが、これこそ宝の山となる「お客様の生の声」を集めることができるツールです。 他と決定的に違う点は「実際に来店している人が発信している情報」という点。 WEBにありがちな見聞だけでお店を評価して有る事無い事を適当に書いているものとは次元が違います。

成功している店ではお客様アンケートはファイリングして全従業員でいつでも見られる状態にしている例もあります。 直接のお褒めの言葉は従業員のモチベーションアップに繋がり、クレームはお店側が気付けなかった問題点を教えてくれるとても重要な意見になります。 (一番怖いのは直接クレームが無く、不平不満を外で言いふらされることです。)

お客様の直接の声を店舗運営に反映させることが出来れば、杓子定規な接客に止まらず、 客層や地域性、その時々に対応した独自性のあるサービスの提供が可能になります。

口コミを発生させる仕組み作り

口コミが集客に一番効果的…とわかっていても、実際の口コミの発生にはメカニズムがあることを知っている人は多くありません。 口コミの発生には「情報を共有したい」という思いが不可欠であり、それは同じ欲求を持つ人が集まったコミュニティーで盛んに行われています。

口コミを発生させるには「わかりやすさ」「話題性」「露出の回数」が基本的な要素となり、そこに「欲求」と「コミュニティー」が重なった時に化学反応を起こします。 まずはこの5点を客観的に分析するところから始めるとよいでしょう。 無造作にチラシを配ったり、SNSに投稿を繰り返しても効果が薄いのはそのためです。

とは言え、難しく考える必要はなく、まずは「お客様が楽しんで貰える有益な情報を継続的に発信する」点を押さえておけば大きな間違いにはなりません。

例えば、

  1. SNSを活用しお客様とプライベートでも交流をする。
  2. ホームページやSNSに店頭だけでは伝えきれない、こだわりや裏側も紹介する。
  3. アンケートを活用して、人気メニューランキングの作成や新メニュー開発に活かす。

お客様が飲食店を使う動機は様々です。また絶対的な正解もありません。 もちろん「美味しいものが食べたい!」は大前提ですが、その他にも「手軽に済ませたい」「自分では作れないものを食べてみたい」「たくさんの人と価値観を共有したい」などが挙げられます。

まとめ

「集客」は一方的な情報発信では十分な効果は見込めません。 様々なツールを活用し、お客様とコミュニケーションを図りながら「情報を共有する」事を意識すれば、効果的な集客や良い口コミの発生に繋げることが出来るでしょう。