モスコミュールとは?味・度数・カクテル言葉・レシピを解説
モスコミュールとは?味、度数、カロリー、カクテル言葉、由来は?モスコミュールのアレンジカクテルの作り方も紹介します。ベースとなるウォッカのおすすめ・歴史を説明し、スミノフ、フィンランディア、アブソルートなども解説。
4大スピリッツのひとつとも言えるウォッカ。基本的なカクテルのベースとなることも多く、スクリュードライバー、ソルティドッグ、ブラッディメアリーなど、世界中で愛されています。そんなウォッカをベースとしたカクテルの中でも、モスコミュールを飲んだことがある人も多いのではないでしょうか。
お酒が飲めるお店では大抵注文することができるモスコミュール。しかしながら、モスコミュールがどのようなカクテルなのかを知らない人も少なくありません。本記事では、お店におけるモスコミュールの作り方、おすすめウォッカ銘柄など、モスコミュールに関するノウハウをご紹介します。
レモンやライムの香りにさっぱりした味わい
モスコミュールはウォッカをジンジャーエールで割っていて、さっぱりした味わいを感じることができます。アルコ―ル度数が高いため、お酒が弱い人には少し刺激的かもしれませんが、すっきりした味わいです。
どんなカクテル?
いままでにモスコミュールを飲んだことはありますか?頻繁にお酒を飲まない人でも、きっと一度くらいは耳にしたことがあると思います。比較的アルコール度数の高いお酒ですが、その飲みやすさから女性にも人気のカクテル。その名前には「モスクワのラバ」という意味があります。なぜそのような名前になったのか、モスコミュールに関する基本的な情報を探っていきましょう。
モスコミュールとは?
モスコミュールは1946年代のハリウッド・サンセット大通りに店を構えたレストラン・コックンプルにてその口当たりの良さからラバに蹴飛ばされたように効いてくるということから「モスクワのラバ(Moscow Mule)」という意味として、モスコミュールという名前が付けられたそうです。
ただこれは諸説のひとつに過ぎず、ハリウッドのジャック・モーガンというバーテンダーが、大量に余ったジンジャービール在庫処分と捨て考案された説、スミノフ製ウォッカの販売促進として、スミノフで手軽に作れるカクテルを製造元であるヒューブライン社が紹介した説などがあります。
カクテル言葉
花言葉や宝石言葉のように、カクテルにも酒言葉があることをご存知ですか?あなたが何気なく飲んでいるカクテルですが、実は意外な言葉が秘められているかもしれません。気になる人とバーで飲むとき、オーダーで秘密のメッセージを込める…なんていうのも素敵です。
ちなみに、モスコミュールの酒言葉は「その日のうちに仲直り」。多くの時間をともにしてきたパートナーや友人たち。時にはケンカをしてしまうことがあるでしょうが、モスコミュールを飲んで諍いはお互い潔く水に流してみてはいかがでしょうか。
味
詳しい作り方は後述しますが、クセのあるウォッカをジンジャーエールで割り、アクセントにライムの香りを添えたカクテルです。前述した通り、モスコミュールは「モスクワのラバ」を意味するほどアルコール度数が高く刺激的です。
とは言っても、レモンやライムの爽やかな香りに炭酸飲料のすっきりとした味わいがプラスされるため、さっぱりとした味を感じられます。ただし、口にすると体全体に熱が入り込むような感覚がし、人によっては少しだけ辛いと感じてしまうかもしれません。
アルコール度数
ベースとして使用するウォッカにもよりますが、モスコミュールのアルコール度数は、大体10~16%ほどです。混ぜ合わせる分量によっても変わりますが、飲みすぎると酔いやすくなるため注意が必要です。ちなみに、ビールのアルコール度数は平均4~5.5%程度です。このことを考慮しても、モスコミュールのアルコール度数の高さが分かるのではないでしょうか。
カロリー・糖質
近年、健康志向を意識する人も増えてきており、お酒に配合されている糖質やカロリーの数値を気にしている人も少なくありません。「ビールは太る」「焼酎は低カロリーだからおすすめ」という話はよく耳にしますが、カクテルであるモスコミュールはどうなのでしょうか。
結論から申し上げると、モスコミュールのカロリーは少し高めです。
タンブラーで作った場合だと180mlほどの量ですが、1杯でおよそ158kcalになります。生ビールの中ジョッキ1杯が202kcalと比べると低い数値かもしれませんが、低カロリーと言うことはできません。特に糖質は14gですので、ビールよりも高くなっています。
作り方
それでは、いよいよモスコミュールの作り方を確認していきましょう。一般的にタンブラーグラスを用いることが多いですが、本場では銅のマグカップに入れて提供されます。ここでは、モスコミュールの作り方だけでなく、本格的に味わうためのポイントもいくつかご紹介していきます。
材料
まずは、材料を用意しましょう。とは言っても、どれも簡単に手に入れられるものばかり。分量は比率となっていますので、作るモスコミュールの総量で考えてみてください。
- ウォッカ:1/2
- ジンジャーエール:1/4
- ライムジュース:1/4
- ライムかレモンの輪切り:1つ
- 氷:適量
タンブラーで180mlのモスコミュールを作るとします。
- ウォッカ:180 ml × 1/2 = 90 ml
- ジンジャーエール:180ml×1/4 = 45ml
- ライムジュース:180ml×1/4 =45ml
他にも、カクテル作りには欠かせない以下のものを用意します。
- タンブラー(またはグラス)
- 計量スプーン
- バースプーン(なければマドラーやスプーンなど)
つくる手順
それでは、作り方の手順も確認していきましょう。モスコミュールはビルドという製法で作られます。これは、氷やお酒、ジュースなどの材料をグラスの中で混ぜ合わせてカクテルを作ることです。特別なカクテルの道具を必要としないため、自宅でも簡単に作ることができます。
- タンブラーに氷を入れる
- ウォッカ1/2(90ml)を注ぐ
- ジンジャーエール1/4(45ml)注ぐ
- グラスの底の氷を2〜3回持ち上げるように混ぜる
- 最後にライム(orレモン)の輪切りを添える
ポイント
モスコミュールはカクテル作りの中でも簡単とされるビルド製法を用いますが、美味しく作るためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。プロのバーテンダーと素人では、以下のようなところに違いが出てきます。
- 材料を混ぜすぎない
- 炭酸を飛ばさない
- 氷にあてないで静かに注ぐ
- 材料を冷やす
特に混ぜる際は、ぐるぐると力任せに回すのではなく、グラスに沈んだウォッカとジンジャーエールがよく混ざり合うよう、氷を持ち上げるようにして混ぜましょう。氷が解けてしまうと水っぽくなりやすいため、カクテルの味に影響が出てきてしまいます。
ジンジャーエールとジンジャービール
モスコミュールの材料にジンジャーエールは欠かせませんよね。しかし、最初からジンジャーエールが使われていたのかと言えば、そうではありません。モスコミュールが開発された当時、ジンジャーエールは発売されていましたが、その代わりに使用されていたのがジンジャービール。
ジンジャービールとは、生姜を柑橘類、水、砂糖とともに発酵させて作られたものです。同じく炭酸が含まれていますが、発酵によって生まれた天然の炭酸です。また、糖分がアルコールに変わるため、アルコール度数も2~3%ほどになるのが特徴として挙げられます。
味はジンジャーエールと比べると甘みが少なめで、生姜の風味が強くなります。そのため、ジンジャービールを使ったモスコミュールは、少しドライな印象を受けます。現在でも、ジンジャービールの販売を行っているメーカーがあるため、気になる人は試してみてはいかがでしょうか。
モスコミュールマグ
モスコミュールを銅製マグカップで飲むという人は、かなりのカクテル通です。オーセンティックなバーでは常備されていることが多い道具ですが、その昔はバーでモスコミュールが提供される際には銅製のマグカップが良く使われていました。
その理由は、アメリカの禁酒法時代にまで遡ります。モスコミュールは労働者の飲み物として親しまれていたのですが、禁酒法によって飲めなくなってしまいます。そこで、お酒を飲んでいることをカモフラージュするために、銅製のマグカップが使われたという説が残っています。
モスコミュール作りに最適なおすすめウォッカ銘柄
スミノフ
ズブロッカ
伝統的な製法を元に、政府にも認められている香り高いフレーバーウォッカこそがズブロッカです。ウォッカ特有のわずかな甘みに加え、独特な香りと口当たりで、世界中にファンが存在する銘柄。その香りは、日本の桜餅や蓬餅、あるいは青りんごに形容されるほど。その甘い香りと飲み口から、「バニラグラス」や「スイートグラス」とも呼ばれています。
ファイヤースターター
フィンランディア
ウォッカと言えばロシアのイメージが強いですが、同じく寒い北欧のフィンランドでもウォッカは製造されています。その中でも、特に有名な銘柄がフィンランディアです。北欧独自の環境とフィンランドに昔から伝わる伝統製法で作られ、上品な口当たりが特徴的なプレミアムウォッカです。氷をイメージしたボトルもお洒落で、飲む以外にもインテリアとして活用できます。
アブソルート
ストリチナヤ
ウォッカの本場として知られるロシアにおいて、多くの国民が愛飲しているのが、国営銘柄でもあるストリチアナです。厳選された素材を使用し、高い品質のウォッカを製造しているのはもちろんのこと、バリエーションも数多く存在します。ほんのりと甘みを感じる口当たりの優しさは、ウォッカ初心者でも飲みやすく、カクテルベースにしても邪魔になりません。
スカイ
アメリカ・サンフランシスコで1992年から販売されているスカイは比較的新しい銘柄ですが、すでに世界中で絶大な人気を集めています。ブルーのボトルがお洒落で、クリアな口当たりはストレートでも美味しいですが、カクテルベースとして飲むと、美味しさをさらに引き立てます。オリジナルを含めて4種類のラインナップは、どれも個性的です。
グレイグース
美食の国と評されているフランスで製造されているグレイグース。実は、従来のウォッカとは異なったコンセプトで作られており、プレミアムウォッカの中でも最高品質の商品を提供しています。原材料の良さを残すために蒸留とろ過を最低限度にとどめているのが特徴的です。これまでにも、さまざまなコンテストで1位に輝いており、カクテルベースとして広く使われています。
アレンジレシピ
ここまでご紹介してきた通り、モスコミュールのベースと言えば、ウォッカですよね。とは言っても、少し違った味わい方をしてみたいという人も多いのではないでしょうか。そんな時は、ウォッカを違うお酒に変えて楽しむこともできます。ここでは、通常のモスコミュールとは少し違った味を楽しむことができるアレンジレシピをご紹介します。
メキシカン・ミュール
メキシコ発祥のテキーラ。ショットで飲むイメージが強く、「飲みにくいから苦手」という人も少なくないでしょう。ウォッカと同様にアルコール度数が高いことでも知られていますが、メキシカン・ミュールというカクテルも存在します。
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材料
- テキーラ:45ml
- ライムジュース:15ml
- ジンジャーエール:適量
- ライム・スライス:1枚
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作り方
- 材料をグラスに入れ軽く混ぜ、ライムを飾ったら完成。
ジャマイカ・ミュール
少しクセの強いラムですが、最近では「パイレーツカリビアン」の影響もあり、男女問わずチャレンジしてみたいお酒No.1と言われています。香りや味が銘柄によってまったく異なるため、選ぶのが難しいお酒でもありますが、カクテルベースにして飲んでみてはいかがでしょうか。
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材料
- ラム:45ml
- ライムジュース:15ml
- ジンジャーエール:適量
- ライム・スライス:1枚
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作り方
- 材料をグラスに入れ軽く混ぜ、ライムを飾ったら完成。
マミー・テーラー
スコットランドで製造され世界中にファンがいるスコッチ・ウイスキー。スモーキーな香りと、後からくる甘みが特徴的です。ショットバーなどで、必ずと言って良いほど注文するという愛好家も多いのではないでしょうか。そんなスコッチをベースにしたのが、マミー・テーラーです。
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材料
- スコッチ・ウイスキー:45ml
- ライムジュース:15ml
- ジンジャーエール:適量
- ライム・スライス:1枚
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作り方
- 材料をグラスに入れ軽く混ぜ、ライムを飾ったら完成。
マミーズ・シスター
ウォッカと同様に4台スピリッツのひとつとして数えられるジン。カクテルベースとしても広く使われており、代表的なものとしてジントニックなどが挙げられます。そんなジンにライムやジンジャーエールを混ぜたものが、マミーズ・シスターです。これはジンバックとも呼ばれます。
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材料
- ジン:45ml
- ライムジュース:15ml
- ジンジャーエール:適量
- ライム・スライス:1枚
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作り方
- 材料をグラスに入れ軽く混ぜ、ライムを飾ったら完成。
ワイルド・ミュール
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材料
- アブサン:45ml
- ライムジュース:15ml
- ジンジャーエール:適量
- ライム・スライス:1枚
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作り方
- 材料をグラスに入れ軽く混ぜ、ライムを飾ったら完成。
まとめ
基本的なカクテルながらも、奥が深いモスコミュール。一般的に広く知られている材料や作り方でも十分に美味しく飲むことは可能ですが、少しアレンジを加えることで、飲んだ人の印象に強く残る素晴らしい味のカクテルになります。手軽に作って気軽に味わうだけでなく、少しこだわりを持ったモスコミュールをお客様に提供してみてはいかがでしょうか。