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信用保証協会とは?厳しい審査の基準、保証付き融資について解説

信用保証協会とは?厳しい審査の基準、保証付き融資について解説
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信用保証協会は、開業実績がなく信用力が低い飲食店への融資の保証を行います。どのような保証制度がそろっているのか?審査の基準は?審査通過のために必要な書類は何か?審査通過の方法とは?もし代位弁済後返済しなかったら?などを広く解説します。

お店を開業するときに一番苦労するのがお金の問題です。

自己資金で足りない分は借りるしかないけれど、利息は安い越したことはない、思いは皆同じでしょう。 公的資金融資制度、信用保証協会の保証付き融資について知っていれば、開業の際に慌てずにすみます。

信用保証協会とは?

信用保証協会

信用保証協会の目的としては、信用保証協会法によって設立された認可法人で、法人税法上の公益法人です。 現在、信用保証協会は、各都道府県と横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市の合わせて全国に51置かれています。

信用力の低い、個人事業主・中小企業などが銀行など金融機関から融資を受ける際、その債務を保証することで、中小企業などの資金繰りの円滑化を図ることを目的としています。

公的融資の種類について

飲食店オープンに際しての資金調達として、一般的には、自己資金と金融機関からの融資が中心になります。

オープン時には、経営実績がないため、銀行など民間の金融機関からの直接的な融資(プロパー融資)は難しいでしょう。そこで、役立つ融資機関として、国や自治体が実施する公的融資機関があります。

具体的なものとしては、日本政策金融公庫、都道府県等の制度融資、そして信用保証協会です。

日本政策金融公庫は100%国の出資による、株式会社の形態をとる法人で、直接貸し付け業務を行っています。

都道府県等の制度融資は、民間からの融資の場合に利息や保証料などを、一部補填してくれるものです。

信用力の低い借主のための、借入金の保証業務

一方、信用保証協会とは、どんな業務を行っているのかイメージしずらいかもしれません。

創業間もなく信用力が低いため、銀行などの民間の融資が難しい場合、保証協会が借入金に対して保証することで、民間の金融機関からの融資を受けやすくする支援機関です。

そのほかにも、売掛金などの債権や棚卸資産などを担保として融資を受ける場合も、信用保証協会が保証して融資の実行を受けやすくしたりといった業務も行っています。

信用保証協会とはどのような機関で、どのような業務を行っているのかなど、さらに詳しく見ていきましょう。

保証付き融資が受けられる

信用保証協会は、信用力が低い飲食店などの個人店や中小企業の資金調達を円滑に行えるよう、民間金融機関に対し、信用保証を行います。その結果、民間の金融機関による保証付き融資が可能になります。

さらに、一定率の保証料を支払えば、ほぼ無担保で融資を受けられます。

1年から20年までニーズに対応した資金調達

現在、信用保証協会では、1年未満の短期運転資金から、最長20年の設備資金などを対象とした保証付き融資制度を用意し、飲食店の希望に応じて選択できるようになっています。

すべての信用保証協会共通の保証制度や、各自治体固有のものがあったり、さまざまです(創業資金制度など)。

万一返済が滞った場合・・・

万一、返済が滞った場合には、信用保証協会から金融機関へ立替払い(代位弁済)がされます。

その後は、信用保証協会が金融機関に代わって、融資先に対し債務の回収を行います。 利息はないものの、遅延損害金が年率最大14.6%付きますのでくれぐれも返済の滞りの内容気をつけてください。

信用保証が受けられる条件

信用保証協会には、いろいろな信用保証制度があり、各々、信用保証が受けられる条件が異なります。

飲食業であれば、「資本金5,000万円以下」または「従業員数50名以下」のいずれかを満たしている必要があります。

しかし、条件は満たしていても、必ずしも保証付き融資が可能となるわけではありません。 各々の保証制度ごとに信用保証協会による慎重な審査があります。

飲食店が受けられる信用保証の種類

信用保証協会

いろいろある信用保証協会の保証付きの融資の中で、小規模な飲食店のオープンに際して受けられる信用保証制度には、どのようなものがあるか見ていきましょう。

小口零細企業保証制度

個人で開業される飲食店にとって最も保証を受けやすい制度です。 小口零細企業保証制度は、金融環境の変化(景気の波のようなもの)による影響を受けやすい小規模企業者を対象としています。具体的には以下の通りです。

利用が可能な方

  1. 常時使用する従業員数が20人(商業、サービス業は5人)以下で、中小企業信用保険法施行令第1条第1項に定める業種に属する事業(特定事業)を行う事業者

  2. 常時使用する従業員数が業種ごとに中小企業信用保険法施行令第1条の2に定める数以下で、特定事業を行う事業者(ただし、①の事業者を除く)

  3. 事業共同小組合で、特定事業を行う事業者、またはその組合員の3分の2以上の特定事業を行う事業者

  4. 特定事業を行う企業組合で、その事業に従事する従業員の数が20人以下の事業者

  5. 特定事業を行う協業組合で、常時使用する従業員の数が20人以下の事業者

  6. 医療を主たる事業とする法人で、常時使用する従業員の数が20人以下の事業者

保証限度額

2,000万円(既存の信用保証協会保証付き融資残高と合計して2,000万円以内)

保証人

原則として、法人代表者以外の保証人は不要

担保

原則として、不要

保証期間

各信用保証協会が定める保証期間

保証料率

各信用保証協会が定める保証料率

その他、詳しくは近隣の信用保証協会でお問い合わせしてください(近隣の信用保証協会で検索できます)。

短期資金特別保証

この信用保証制度は、東京信用保証協会が行っている保証付き融資で、次のような内容です。

融資対象

下記のいずれかに該当する中小企業者および組合は融資の対象になります。

  1. 法人の場合は、直近の決算において「経常利益」を計上していること

  2. 個人の場合は、直近の確定申告において「所得金額」があること

融資限度額

1企業、1組合 3,000万円まで

保証人

法人は代表者、組合は代表理事、個人は不要

担保

担保は必要に応じて設定する

融資期間

1年以内

保証料率

各金融機関所定の利率による

地域によって異なる保証制度

先にも述べましたが、同じ名称の信用保証制度でも内容が異なっていたり、同じ目的の信用保証制度でも違った内容だったりします。

「短期資金特別保証」は東京信用保証協会によるものですが、同じ内容でも「短期継続型保証」であったり、内容も多少変更した「税理士連携短期継続特別保証」であったりと、地域、自治体により特色のある信用保証制度があります。

東京信用保証協会はさまざまな内容や種類の信用保証制度があり、小規模事業向けや創業融資向け信用保証制度が充実しています。

信用保証協会の申し込みの流れと必要書類

信用保証協会

信用保証協会に、保証付き融資の委託を申請する場合、2つの方法があります。一つは金融機関を通して申し込む方法。もう一つは、信用保証協会に直接申し込む方法です。

どちらの方法をとるにしても、審査内容、保証金額、信用保証料に違いはありません。

申し込みから融資までの流れ

申込みから融資までは、

  1. 必要書類の作成
  2. 委託申請
  3. 審査
  4. 面談
  5. 店舗の実地調査

などの手続きを踏んでいきます。融資実行まで早くても1か月、手続きに時間がかかってしまうと数か月先といったこともあります。

委託申請に必要な書類

一般的な申し込みに必要な書類としては、以下のようなものです。 信用保証委託関連書類以外は日本政策金融公庫などに提出する書類と大きな違いはありません。

  • 信用保証委託申込書(保証人等明細)

  • 信用保証依頼書

  • 信用保証委託契約書

  • 申し込み(企業)概要

  • 個人情報の取り扱いに関する同意書

  • 確定申告書(決算書)

  • 商業登記簿謄本

  • 印鑑証明書

地域、自治体、または申請する信用保証制度により、提出書類に違いがありますので、必ず、各々の信用保証協会のサイトで確認してください。詳しい記入例なども記載されていることが多いので、参考になります。

東京都信用保証協会の信用保証委託申込書
 
信用保証協会

審査のポイントと注意点

信用保証協会

信用保証協会の審査を受けるためには、あらかじめ、その審査基準を熟知し、それを事業計画書に落とし込んでおいたり、想定問答など、シミュレーションをしておくことも大切です。

4つの審査ポイント

保証資格

保証を受けるための形式要件などの適合性について。

資金使途

何にいくら使用するのか明確にすること。 できれば、資金表を作成し、設備資金、運転資金の各項目別に信憑性のある数字を記載。厨房機器業者などからの見積書を添付するとよいでしょう。

返済能力

説得力のある事業計画書(利益計画書)を使い、実際に返済する能力・計画を説明しなければいけません。

経歴

これは経営者としての資質と、飲食業界に何年従事していたかといった経歴など。

時間に余裕を持って申し込む

信用保証協会の保証付き融資は、保証協会による審査、手続き、金融機関による審査、手続きを経る必要があるため、全体としての審査、手続きが長く、融資実行まで1か月から数か月もかかってしまいます。

時間も計算に入れて申し込みましょう。

創業資金よりも運転資金の方が得やすい

審査、手続きに時間がかかり融資まで最長数か月を要すること、信用保証協会の保証制度の種類によっては、営業許可が発行、取得されていることなどを条件としている場合があるため、開業資金の段階では使い勝手があまりよくありません。

できれば開業後の運転資金に充てたほうがメリットがあります

面談に向けてしっかりと準備する

面談は、保証が付くかどうかを見極めるための最後の関門です。事業計画書の内容である売り上げ、利益計画や開業の動機など自分の言葉ではっきりと伝えることがとりわけ重要です。

数字の裏付けをスムーズに説明する

面談はかねがね1時間から1時間半程度です。面談は事業計画書に基づいて行われるため、担当者が、事業計画書を見てどのような質問をしてくるか、しっかり想定問答を用意しておきましょう。

特に大事なのが、数字での裏付けを自分の言葉で説明できるかです。

「月の売上予想が約170万円である理由は、客単価3,000円で、席数15席が1日に平均1.5回転する想定で1日の売上が、3,000✕15✕1.5=67,500円。1ヶ月に25日営業する予定ですので、67,500✕25=1,687,500円です」

など、しっかり理論武装をして、説明できるようにしましょう。

身だしなみ・言葉遣いに注意

これは社会人として当たり前ですが、しっかりとした身だしなみをして面談には望みましょう。

どんなカジュアルなコンセプトのお店を立ち上げるとしても、面談の場面には関係ありません。 お金を借りに行く立場として、公的機関に伺う場合はフォーマルな服装で出向くのが基本です。

スーツが望ましいですが、最低でもシャツとジャケットを着て行くようにしましょう。

まとめ

飲食店のオープンには、自己資金だけでは十分ではなく、ほかからの資金調達が必要になります。

その時、頼もしい味方になってもらえるのが、公的融資制度の代表的なものである、日本政策金融公庫と信用保証協会です。両方を利用することで、オープン時、安心して経営に専念できます。

日本政策金融公庫からの融資獲得方法については

をごらんください。

ぜひ2つの公的資金融資の制度を活用して、開業という新しいスタートにトライしてみてください。

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